top of page
検索

慶應義塾大学 東京藝術大学で授業を行いました。

慶應義塾大学 教育学特殊昨年も3回鑑賞のワークショップを行いましたが、6月から7月にかけての1ヶ月、今年は5回の授業を担当しました。

今年は学生さんの力を信じてとてもシンプルな内容にしました。


ree

個人で鑑賞して感じたこと、また思い出したことをグループで共有。その中で互いの違いを確認し続ける。このシンプルな話し合いを繰り返すだけの内容です。


授業が進む中で、一度に鑑賞する作品数が増えたり、数種類の解説資料に向き合ってもらったり、複数の作品を壁に貼り付けながら展示プランを考案したり。処理する情報の量や質が変化します。


学生さんたちにできるだけ介入せずに進めるので、90分の授業の中で、僕が話す時間はおそらく20分程度。反対に学生さんはその倍以上話し合ってもらっています。


かしこまった言葉でまとめて欲しくないので、教室全体での共有や発表もせず、小さなグループでワイワイ話し合うまま、時間が来たら授業は終了です。


話し合いの明確なゴールもなく、僕自身もほぼ介入しないので、不信感を持たれたらもうアウトな、丸投げ、半ば賭けの内容でしたが、リアクションペーパーは「楽しい」という内容が多くほっとしています。

僕の方に何か答えや、金言があるわけでなく、互いに関わる中でそれぞれが自分にとって大切だと感じる物を持ち帰る。自分で自分の価値ある物を見つけることが重要だということがだんだんと、共有されて行く雰囲気がありました。


最終授業では、これまで授業で鑑賞してきた絵を振り返ってよく見て、小グループで考えを共有するということをするだけ(ただその時間が長い)というものすごくシンプルなものでしたが、とても良い教室の状態で走り切ることができました。


東京藝術大学キュレーション教育研究センター

2025年度 社会共創科目(公開授業)

芸術環境創造論1


ree

社会共創科目(公開授業)は、藝大生対象の正規授業を社会人が受講できる特別科目で、2023年にスタートした新たな枠組みの授業です。藝大生と社会人が共に学ぶ機会を創出し、講義科目では活発な議論を、演習科目では協働を目指します。


出席40〜50人程度、現役学生よりも社会人が多い授業でした。


芸大に入ってから今年で20年になる、これまでのキャリアや活動の変遷を役割ごとに説明したり、最近作った活動の方針を紹介しました。


中盤に「いちまいばなし」のワークショップの実演を挟んで、残りの時間は学生同士のディスカッションや、全体での質疑応答などを行いました。


リサーチのために先月授業を聴講したときは、社会人からの質問が盛んでしたが、今回は学生からの質問も出てきて良かったなと思いました。

お話は「猿の恩返し」という大作ができました。


「サルの恩返し」

東京藝術大学北千住校舎 2025年7月5日 


ree

海に島がありました。島にはめちゃめちゃ大きな木がありました。そこには3匹のサルがいて、歌を歌っていました。1匹のサルが「お前の声は大きすぎる」と他のサルに言うと、残りの2匹は更に大きな声で歌い始めました。すると、海から大きなクジラがなにか聞こえるぞと出てきました。サルはクジラに食べられてしまい、そこへ遠くから人間が釣り船に乗ってやってきました。人間は、クジラを今晩の夕飯にしてみようと思い、その船では小さいので、もっと大きい船を持っている友人を呼びました。更に船団を組んで、3つの船からクジラに網をかけてつまえようとしました。すると振り出しに戻って、クジラの口の中からサルたちが戻ってきました。サルたちはまた歌いだし、1匹のサルと人間は仲良くなり、人間も歌いだし、鳴き声対決が始まりました。クジラもそこに参加して、更に踊りだしました。でも、踊りすぎてクジラの尾びれの骨が折れてしまいました。そこで、サルたちがクジラの尾びれを抱きかかえて支えると、人間はちょうどよいと思って、網をかけました。すると、サルたちはクジラの尾びれを振り回して波をたてて、船団を追い払いました。サルもその波で溺れかけたので、島の木で怪我を治そうと言うことになりました。その木の葉っぱを取ってクジラの尾びれに巻いてみると、それはアロエの木だったので、怪我は治ってしまいました。その治療法を岸から元DJの医者が見ていて、とんでもない発明だと思い、論文にしようとしました。その論文を学会で発表すると、激しい雨が降ってきました。雨の中、発表を聞いた研究者たちは島に向かいました。その研究者たちも歌い出すと、なぜか突然12匹のネコが乗った船も寄ってきて、一緒に島に向かいました。猿たりも島に戻ってきて、騒動が大きくなってゆくと、島だと思っていたのは実は別のクジラで、そのクジラも学会発表の場に向かい出しました。クジラにみんなもついていき、あまりの大賑わいぶりに、何があったのかと、海の中の生物たちもみんな学会発表に向かいました。怪我をしたクジラも、全てはサルたちがアロエを巻いてくれたからだと、感謝の気持を込めて大々的に発表しました。すると、論文を発表した医者も喜んでDJをして音楽をかけ、これが「サルの恩返し」というお話になりました。



==========

即興物語作り「いちまいばなし」

一枚の絵を描きながら、その場の全員で即興の「おはなし」を作っています。

2011年から、700話・5000人以上と全国各地でお話作りをしてきました。

「何がどうしたどうなった?」と物語の順番を順番に問いかけてゆき、参加者が答えた内容を一枚の絵に描き足してゆくことで、誰の想像もつかない「おはなし」が出来上がります。


==========

以上最近の授業についてでした。

また、東京大学の非常勤になりました。授業は冬から始まります。

コメント


© 2025 by 佐藤悠

bottom of page