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東京大学教育学部附属中等教育学校 鑑賞プログラム 2023.2.22


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月曜日は東京大学教育学部附属中等教育学校の4年生(高校1年生)に向けて、社会の授業の中で鑑賞プログラムを行いました。


昨年も同校の中学3年生に向けて行っていて、前回は海外での日本文化の受容のされ方というところで、ジャポニスムについてモネの「ラ・ジャポネーズ」を鑑賞してもらい授業を行い、得られたテキストなどを利用して、その後テキストノベルゲームを作ったりもしました。(いろいろバグがあるので、プレイしてみて途中で止まってしまったらごめんなさい)


今回は2月ということで、単元もすでに戦後の世界になっており、現代美術を鑑賞をすることになるので、どうしようか思案したんですが、以前記事で少し述べたように、「例え」を使って鑑賞するという枠組みを設け、「関連付ける」というアプローチで現代美術の鑑賞を少し緩やかな形でできないかというトライアルを行いました。


作品の視覚的なものだけをロジカルに追っていっても、「?」になってしまいがちなので、感じたものを何か別のものに結びつける思考の跳躍の練習みたいなものが、現代美術を見る時に必要だと感じていて、そこで今回はそのフレームとして「例え」を使ってみました。


何かに例えると、その関連の糸に例えた人の経験や記憶が反映されるので、たとえ、例え自体が凡庸であったり、矛盾していても、その関連を紐解いていくとかなり豊かな解釈の広がりを見せてくれます。(今後別の大学の留学生クラスでも開催する機会がありそうなので、異文化間でやっても面白そう)


やっていくうちに「関連付ける」考え方のフレームができて行くので、関連性をそこまで詳しく説明してもらわなくても、例えが断片的なものであっても、聞いている側が色々と勝手に関連性を考えさせられるので、話す事が苦手な人や、高校生以下でも面白い鑑賞になります。あと、発話のハードルも下がったり、発話者の人となりがちらっと見えたりするのも良いですね。


今後も少しブラッシュアップをしてやっていきたいなというところ。学生達も先生にも、反応は良かったので、今年か来年にまたもう一度ぐらいできそうです。


鑑賞作品はイリヤ・カバコフを選びました。ソビエト時代の非公認アーティストの事や、新潟にある作品、現在のウクライナ情勢の関連、そして今後おそらく大きな展覧会が日本で開かれるであろうことを考えて、今回は10代の彼らがいつかまた出会うことをイメージして作家を選んでみました 。


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© 2025 by 佐藤悠

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