国立科学博物館で鑑賞の実験 2023.9.27
- yusatoweb
- 7月24日
- 読了時間: 2分

先日、国立科学博物館で鑑賞の実験を行ってきました。
研究者の石黒先生と共同で、ミュージアムで多様な触発や学びが起こるためのワークショップ実践でした。
地球館の3階フロア、たくさんの動物たちの剥製などがある場所を使って、参加者がそれぞれが互いにどんな気持ちになったのかということをワークシートで掘り下げ、感じたことや気持ちの整理分類などを通して、考えたことを2度交換し合うシンプルな内容でした。
「自分をミュージアムにする」というのがテーマで、「収集・保存・調査研究・展示」というミュージアムの役割をそれぞれの内部で行うことを目的に、「互いの感じた気持ち」を集め、記録し、考察し、発表するということを試してみました。
感情のマッピングには、快・不快と覚醒・鎮静の2軸で分類する「ラッセルの円環モデル」を床に描き、ワークシートを置くことでそれぞれの感情のポジションを考えてもらいました。

基本的には毎月行っている取手での美術鑑賞会のフォーマットを博物館に持ち込んだ感じだったのですが、実際に行ってみると博物館という場所は思った以上に賑やかで、自由。
いろんな人が口々に自分の思ったことを自然に声に出していたり、順路などにとらわれずにどんどん好きなものを見ていくような、動的ミュージアムを感じました。
シーンとした中である程度順路に沿って作品を見ていくことが無意識的に身についてしまっている美術館での展示品との向き合い方は、かなり静的で、ある部分向き合い方の作法みたいなものが強固にできているなと。
また、基本的にはフィクションがベースというか、表現されるものとしているものレイヤーがある美術館と、今日見た剥製のように生の物体そのものが置かれている博物館とでは、同じテーマへの向き合い方や感じ方、対話の方向性もかなり違っていたのではと感じました。
博物館の展示品を美術館のように見てみたり、美術館の展示品を博物館のような環境の中で見てみるとどんなことが起こるんだろうと。
次回は11月に別のミュージアムで実施予定です。



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